スーパードライブが世界初の機内AR「沖縄の宝」を日本トランスオーシャン航空(JTA)向けに開発

カスタマーチャレンジ

日本トランスオーシャン航空(JTA)は、国内航空会社やLCC各社との競争が激化するなか、若年層の観光客を沖縄の観光に惹きつけたいと考えていました。沖縄を旅行する人の75%以上がリピーターであるため、フライトを単なる「移動手段」ではなく、新たな価値を生み出す体験として重視しました。

以前、スーパードライブとともに開発した「世界初の」機内バーチャルリアリティー(VR)を拡張することによってJTAは、フライトが旅の目的地に対する関心と期待を高めてくれる経路になるとして、若年層のターゲットセグメントに共鳴しマッチするデジタルテクノロジーをさらに推進しようと考えました。

ソリューション

世の中の統計を見ると、航空会社の選択基準がフライトスケジュールや快適さ、価格に重きをおいていることは事実ですが、機内で過ごす時間が休暇の思い出に残る一つの体験になっている要素もあることがわかっています。調査によれば、「ポジティブな旅行体験」の記憶と「到着前の期待」には直接的な相関関係があるといいます。基本的に、到着前の期待が高いほど、目的地での体験が印象に残るということです。飛行機の搭乗体験は、単なる移動手段としてのみではなく、目的地の期待度を高めるために役立つことになるのです!

伝統に富む文化

沖縄は自然の美しさだけでなく、代々受け継がれてきた豊かな伝統と文化にも恵まれています。わたしたちは、若い人が飛行機に搭乗した瞬間から共感できるような最新の手法によって、生き生きと沖縄の文化と物語を蘇らせることを目指しました。休日は目的地に到着した時点から始まるのではなく、飛行機に搭乗した瞬間から始まるのです。

そうした点で拡張現実(AR)は、旅行者が飛行機に搭乗した瞬間から目的地のイメージに命を吹き込むツールとなり得ます。視聴する若い人に共感を呼び、エンゲージメントを高め、核心的なメッセージを伝え、沖縄に対する新たな関心と観光の機会を広げるプラットフォームになります。

「探しに行こう、うちなーの宝」

コンセプトは「探しに行こう、うちなー(沖縄)の宝」です。まず、わたしたちは、沖縄のユニークなキャラクターと伝統から成る10の「WOW」なショートストーリーをつくりました。これらには、以下のようなテーマが含まれています。

スポーツ(空手):空手は沖縄で始まった日本の武道で、2020年東京オリンピックの公式オリンピックスポーツ
ギネス記録保持:藁でつくられた172メートル、26,730トンの世界最長の綱引きロープ
星空保護区:西表石垣国立公園の夜空は、日本で初めて、アジアで2番目に「ダークスカイ・パーク」として認定

10話それぞれは、沖縄の木の精霊「キジムナー」とその友「オサカナ」によって語られます。イラストやキャラクターデザインは、沖縄の著名なイラストレーターであるShu Ashimine氏が担当しました。ショートストーリーの制作の次には、一連の短いアニメーションが制作され、これが仮想現実(AR)用の形式に変換されました。物語は、音声やテキストに依存しないようにつくられたので、小さな子供や外国人旅行者、視聴覚障害者でも楽しむことができます。

また、ストーリーごとに異なる10個のマーカーを飛行機の中に配置することで、乗客がまるで宝探しをするようにストーリー探しを楽しむことができます。飛行中は他の乗客に迷惑をかけずに着席したまま楽しむことができるように、リーフレットや機内誌、シートポケット、エンターテイメントガイド、客室乗務員が配るカードなどにこれらのマーカーを隠しました。

ARは、ARマーカーにスマートフォンをかざすことで起動し、スマートフォン上にキャラクターとストーリーが生き生きと蘇ります。

技術的考察:

これらの体験が可能なフライトはすべてWiFiに対応していますが、165人の乗客全員が同時にシームレスな体験ができるように、通信帯域を確保する必要がありました。このため、以下の内容を考慮して技術開発しています。

  • スマートフォンに依存しないウェブベースのARプレーヤー:スマートフォンの88%がiPhoneという日本市場で、iOSとAndroid双方で動作可能なウェブブラウザ対応のARプレーヤーを開発しました。Apple AppストアやGoogle Playからアプリをダウンロードしてインストールする必要がありません。
  • IFEシステムとコンテンツストリーミングを統合:Gogo Inflightとのコラボ(Gogo Inflight Entertainmentシステムによる機内ネットワーク上で直接、プレーヤーとコンテンツをインストールする)によって、WiFi接続によるリスクを回避し、乗客全体のアクセス容量に依存する帯域幅とその調整代を確保しました。コンテンツの更新は、JTAの機内システムに統合され、標準のビデオコンテンツのリモート更新とともに実行されます。
  • ARマーカー:ARマーカー認識は、日本で販売されているスマートフォンの95%をカバーし、日中・夜間での機内の照明光の変化やすべての座席の操作ポジションでも機能するよう設計されました。
  • コンテンツ開発:IFEへのアクセス集中が起こっても、最高のユーザーエクスペリエンスを阻害しないように、コンテンツ開発チームにクリエイティブ制作ガイドラインを提示しました。そこには、オフライン環境からのUnityによる製品開発ルールや、Spineによるアニメーション、AR.jsのARライブラリの利用、15~20秒のコンテンツ長、オンライン体験を強化するためのオフライン環境のシームレスな利用などが含まれています。

結果

キャンペーンは2019年10月1日から開始され、航空業界においては、機内で初めて運用するブラウザベースのARイベントとして、JTAの「世界初」のイノベーションとして記録されました。これはJTAにとって、1年前のブラウザベースでのフルCGアニメーションによるVRキャンペーン(これもスーパードライブが開発)に続く、業界で2回目の「世界初」のキャンペーンとなりました。

さらにこのキャンペーンは、以降、組織内においても、以下のような「JTAファースト」のキッカケにもなりました。

  • すべての航空機に実装されたマーケティング主導型の機内イノベーション
  • パイロットや地上スタッフ、客室乗務員のサービス提供と運用に関する部門横断的なコラボレーション
  • 複数のメディアチャネルと広報の間で完全に統合された機内体験:機内エンターテインメントシステム、シートポケットの中のパンフレット、客室乗務員が配布するカード、機内誌、機内エンターテインメントガイド、公式ウェブサイト、公式ソーシャルプロパティ(Facebook、Twitter、Instagram)
ニュースとメディア

https://jta-okinawa.com/pressrelease/20045/

https://jta-okinawa.com/pressrelease/jta機内wi-fi限定コンテンツ「arサービス」を全便で開始/

https://www.aviationwire.jp/archives/202007

https://www.inflight-online.com/industry-first-for-jta-and-gogo/

Also available in: English

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