脳のバイアスを利用してオーディエンスと関わる5つの方法:パート2

2ここからは、脳の認知バイアスの探索パート2です。パート1では、お礼の印にお客にキャンディーを渡すウェイターがどうしてチップを多くもらえるのかという例をご紹介しました。実は、そこにもバイアスがあるのです…

1. レシプロシティ(互恵性)贈り物をもらうと、それにお返しをしなくてはならないという社会的な義務感が生まれます。その贈り物が、その人のためにオーダーメードされた特別なものであれば、その義務感はさらに強くなるでしょう。伝票と一緒にミントキャンディーを渡す例で考えると、ミントキャンディーが1つではなく、2つになれば、チップはさらに増え、ましてや、手書きで「有難うございます」と書かれたメモまでが添えられたなら、チップはますます増えるでしょう。

以前よりもマーケッターは顧客との一対一の関係を築きやすくなってきていますので、顧客と関わるときにレシプロシティの原則を自分なりにうまく利用する機会も多くあるはずです。

 2. 混乱させて、言い換える(DTRDisrupt Then Reframe広告主に提案をするとき、相手の注意をさえぎり、相手が混乱しているあいだに何かを言い換えて伝えると、提案に対する広告主の抵抗感が軽減します。相手を混乱させるようなフレーズを用い 、その後、魅力的なオファーを持ち出します。ガレージセールで値札に「3ドル」ではなく「300ペニー」と書き、「お買い得品」と付けただけで、売上が2倍になったという有名な実験があります。これもまた、巧みに練ったコンテンツの価値が実証された例と言えるでしょう。

3. 抵抗感を認める: 問題を広く知らせる方法は、その問題を直接認めることです。たとえば、ドミノピザはひどいピザを作っていたことを自らが公にし、商品を改善するための再出発点としました。誰もが感じていたことをドミノ自らが認め、自分たちのブランドの価値をもう一度試そうとしている彼らの勇気ある行動を人々は称賛しました。リードについての情報を収集することは何よりも重要ですが、彼らがブランドをどう捉えているのかを理解することも大切です。特に、そのブランドに対して抵抗を感じる原因となる知覚的なバリアを把握することも大事です。なぜなら、知覚的なバリアは、メッセージングで対処できるかもしれないからです。

顧客が多様化するのに、なぜキャンペーンは多様化しないのでしょう。

4. 損失vs. 獲得フレーミング: 水のはいったグラスを、水が半分入っていると捉えるのか、水が半分入っていないと捉えるのか、どちらがよいのでしょうか。失うことを恐れると、リスクをとるような行動が増えます。逆に、得ることを期待すると、安全な行動をとるようになります。支払方法を例に考えると、「現金割引」とは対照的に、支払方法欄にクレジットカードの手数料が「クレジットカード利用料」と書かれていると、人々はクレジットカードを使いたがらない傾向があります。これは政治についての世論調査の結果を見れば明白なことですが、自分たちに関わってほしい見込み客にあなたがどのような依頼をするかによって、結果は大きく変わってきます。キャンペーンでメッセージングを行う前に、自分だったらどのように世論調査を行うだろうかと考えてみるとよいでしょう。

 5. ドア・イン・ザ・フェイス: 大きな要求をしてから小さな要求をすると、こちらの言うとおりに行動してもらえる確率が高くなります(たとえば、陸軍に入って部隊を支援してほしい、でもそれが無理なら、戦争国債を購入してほしい、と尋ねてみましょう)。個々のコミュニケーションそのものも重要ですが、コンテンツをどのようにつなげてオーディエンスに伝えるかということも同じくらい重要なことです。

パート1でも触れたように、リードとの直接の会話をもたらすマーケティングオートメーションでは、これらの戦略を取り入れることを意識し、その戦略をインテリジェントに適用することが非常に重要です。次に提案をまとめるときには、この心理的なバイアスに留意した上でA/Bテストを行ってください。

Sam Cassels & Sosuke Koyama

画像はJason Freeny氏のご厚意による