Marketing Cloud Account Engagement (旧Pardot)のエンゲージメント履歴をSalesforceのレポートとページに追加する方法

Pardotのエンゲージメント履歴(Marketing Cloud Account Engagement)

Salesforce Marketing Cloud Account Engagement (Pardot)が他のマーケティングオートメーションツールに比べて優れている点の一つは、Salesforce CRM製品とのシームレスな統合が進んでいることです。

営業チームは、日がな1日、Salesforce CRMの内部で仕事をしているので、Pardotの便利なデータを既存のエコシステムとビューに追加すれば、より速く、より良いパフォーマンスを発揮するようになります。

さらに、営業やマーケティングマネージャー、ディレクター、レポートマニアたちにとっては、Pardotのデータを既存のSalesforceダッシュボードに追加することで、ミクロレベルだけでなくマクロレベルでもマーケティングパフォーマンスを把握できるようになります。

このブログでは、Salesforceのレポートやリード、取引先責任者、キャンペーンオブジェクトのページレイアウトに追加すべきPardotの主要メトリクスを紹介し、その実施の仕方について説明したいと思います。

「キャンペーンを接続」と「エンゲージメント履歴」の有効化

話を先に進める前に、Salesforce Lightningの利用と、Salesforce上でPardot Lightningアプリを有効にしていることを確認する必要があります。以下はそのガイドとなります

また、Lightningアプリに加えて、「キャンペーンを接続」と「エンゲージメント履歴」が有効になっていることを確認する必要もあります。

「キャンペーンを接続」を有効にするためには、pi.pardot.comにログインし、右上の設定アイコン(設定アイコン)をクリックし、アカウント設定を編集してください。「キャンペーンを接続」セクションまでスクロールダウンし、そこにあるすべてを以下のように有効にしてください。次に、「エンゲージメント履歴」を有効にするには、Salesforceで右上の設定アイコン(設定アイコン)をクリックし、左側のクイック検索ボックスで、「エンゲージメント履歴」を検索してください。「エンゲージメント履歴ダッシュボードを有効化」のトグルボタンをクリックし、「レポートタイプ設定に移動」をクリックすると、カスタムレポートタイプの作成が始まります。

カスタムレポートタイプの作成

「エンゲージメント履歴」を有効にすると、カスタムレポートタイプを作成できるようになります。ここで、メールやフォーム、その他のデータのレポートを作成できます。

もし、カスタムレポートタイプの画面が表示されていない場合は、「設定」から「レポートタイプ」を検索すると出てくるはずです。「New Custom Report Type」をクリックします。ここで、4つのレポートタイプをつくることができます:

・リストメールレポートタイプリストメール(ニュースレターなどの1回限りの配信)、エンゲージメントスタジオメール(メールジャーニー、ステップメール、ドリッププログラムなど呼び方はさまざま)、その他の自動メール(フォームによる自動配信メールなど)をレポートします。

・マーケティングフォームレポートタイプPardotフォーム(Pardot内でつくったフォーム)や、フォームハンドラー(Pardotに接続したお客様のWebサイトにあるフォーム)についてレポートします。これには、iframeによってWebサイトに埋め込まれたPardotフォームや、直接リンクしているPardotフォーム、フォームハンドラーが含まれます。ただし、Pardotのランディングページで使用されるPardotフォームは含まれません。

・ランディングページレポートタイプランディングページのビューや、ランディングページに設置したPardotフォームによるコンバージョン、対応する投稿率など、ランディングページのパフォーマンスをレポートします。

・マーケティングリンクレポートタイプPardotでカスタムリダイレクト(基本的にはbit.lyのようなトラッキングリンクのこと)を作成したり、Pardotでファイル(ホワイトペーパーなど)をホストしたりすると、これらのクリックやダウンロードについてレポートができるようになります。

例えば、PDFホワイトペーパーのダウンロードにリンクするフォームやメールがある場合、ホワイトペーパーに直接アクセスさせるのではなく、わざわざカスタムリダイレクトを作成して、一旦、見込み客がそのカスタムリダイレクトをヒットするようにしたい場合があります。こうすることで、ホワイトペーパーをダウンロードした人数や、その人たちの素性を追跡することができます。

共有設定の調節

レポートタイプのセットアップを完了させる前に、もう1つ、最後のステップを実行します。デフォルトの設定では、リストメールオブジェクトの場合、すべてを適切に設定したつもりでも、なぜか一部のユーザーが特別な権限なしにレポート表示できない場合があります。このため、組織の共有設定を調整することで、組織内のリンクにアクセスできるすべての人が、簡単にメールレポートを見ることができるようにします。

Salesforceの右上にある設定アイコンをクリックし、検索ボックスに「共有」と入力し、共有設定を表示させます。そして、「リストメール」が「公開/参照・更新可能」になるように編集します。

レポートの作成

テンプレートとも言えるレポートタイプを作成したら、これをベースにレポートをつくることができます。必要があれば、これらのレポートをSalesforceのダッシュボードに追加することもできます。

Salesforceの「レポート」をクリックし、「新規レポート」を作成します。「Pardot」を検索すると、先ほど作成した4種類のレポートが表示されます。ここから、好きなレポートをつくることができます。まさに可能性は無限大。以下はそのサンプルとなります:

・ステップメール別のパフォーマンスメール配信はうまくいっているか? 業界のベンチマークと比較してどうか? 他のメールシーケンスと比較してどうか? どのメールに手を加える必要があるのか?

・ニュースレターによるメールパフォーマンス先週のニュースレターは、その前のニュースレターと比較してどうだったか? 平均開封率から、どのようなサブジェクトが効果的だったか? 開封率に基づき、どのようなタイプのコンテンツがもっとも効果的だったか?

・フォームとフォームハンドラー見込み客がもっとも回答しているのはどのフォームか? どのようなコンテンツがダウンロードされているか? 何人がデモをダウンロードしたか? マーケティングキャンペーンのコンバージョンは?

レポートを作成し、カスタマイズしてダッシュボードに追加することで、マーケティング担当者や管理職がレポートを活用できるようになります。さらに今回は、営業担当者が毎日見ているリードや取引先責任者、キャンペーンページのレイアウトにこうした有用なデータを追加することによって、営業担当者がより能力を発揮できるようにすることに焦点を当てたいと思います。

まず、リードと取引先責任者のページレイアウトを調整しましょう。以下の例では、リードから開始しますが、これが完成したら、次に取引先責任者オブジェクトについても同じように作業を繰り返してください。

リードと取引先ページのレイアウトにデータを追加

Salesforceで設定アイコンをクリックして設定に進みます。「オブジェクトマネージャ」をクリックし、「リード」を引き出します(注:終了後、この手順を「取引先責任者」でも繰り返します)。「ページレイアウト」をクリックして編集します。「Fields」エリアでは、さまざまなフィールドを追加できます。私自身は、これらをページレイアウトの「Pardot」や「Marketing」などの新セクションに追加することが好きです。私はこうしたフィールドの追加が好きですが、ページレイアウトはあなた次第です。さらに、ページレイアウトにボタンやアクションを追加して、営業担当者がリードをPardotリストやナーチャリングメールキャンペーンなどに追加することもできます。終了したら、ページレイアウトを保存します。次に、「エンゲージメント履歴」ブロックをページに追加し、営業担当者がリードのデジタル的ボディーランゲージに素早く気づけるようにしましょう。彼らはどのようなページを閲覧したのか? どのページを見たのか? どのフォームを送信したのか? どのメールをクリックしたのか?などを把握できます。

リードオブジェクト設定のまま、「Lightning レコードページ」を表示させ、Lightningレコードページを更新します。ページに「Engagement History」を追加して保存します。これによって、メール開封やクリック、ページビュー、フォーム送信など、見込み客のすべてのアクティビティをリードページあるいは取引先責任者ページで表示できるようになります。私は、このように右側に追加するのが好きです。保存された最終結果はこのようになります。前述のとおり、リードページにフィールド、ボタン、「エンゲージメント履歴」を追加し終えたら、取引先責任者オブジェクトにも同じことをします。

キャンペーンページレイアウトレイアウトを編集

キャンペーンページレイアウトに「エンゲージメント履歴」と関連リストを追加

「キャンペーン」は、マーケティング担当者や営業担当者が、マーケティング費用や、ROI、コンバージョン、パフォーマンスについて比較・分析する際に役立ちます。また、リードソースを共有することで、多くの見込み客をバケット化することもできます。以下に、いくつか例を挙げます。

・先週実施したウェビナーのキャンペーン:
招待メールからのクリックや、Pardotフォームからの登録者、ウェビナーからの参加者をすべてメンバーステータスでキャンペーンに取り込みます。
・先月のGoogle新商品広告のキャンペーン:
Google広告からのランディングページのフォームコンバージョンや、ナーチャリングメール、アセットダウンロードのクリックすべてをキャンペーンに取り込みます。

メールやフォーム、カスタムリダイレクト、ランディングページなどのアセットをすべて同一キャンペーンに関連付けると、関連リストを使用することによって、これらをキャンペーンページから簡単に見ることができるようになります。

「設定」をクリックし、「オブジェクトマネージャ」を出します。今回は「キャンペーン」オブジェクトをプルアップします。「ページレイアウト」をクリックして編集します。「関連リスト」セクションで、「リストメール」、「マーケティングフォーム」、「ランディングページ」、「マーケティングリンク」の関連リストをページレイアウトにドラッグします。保存したら、再び「キャンペーン」オブジェクトで左側の「Lightningレコードページ」をクリックして編集します。「エンゲージメント総計値」をページにドラッグして保存します。この「エンゲージメント履歴」ブロックは、平均コンバージョン数やクリック率などの全体像を素早く理解するのに非常に便利です。関連リストと「エンゲージメント履歴 Metrics」をすべて追加した最終的な結果は以下のとおりです。

スコアリングレポートへの追加

リードと取引先責任者レポートにリードスコアリングバケットを追加

見込み客のアクティビティとコンバージョン関連のメトリクスについて説明してきましたが、最後に、リードスコアリングについて説明します。

あらゆる部門から評価の高い優れたリードスコアリングモデルは、どのようなタイプのリードやキャンペーンが質の高いリードを生み出せるか定義する際に、マーケティングの役に立ちます。またこれによって、営業担当者は、誰を最初にフォローアップして商談成立に至らせるかを容易に判断できます。

スコアリングは、営業担当者がリードやリードリストを表示させ、そこから見込み客のスコアを素早く把握し、次なるアクションを決めるのに適しています。

しかし、もし、マーケティング担当者や管理者が、すべてのリードスコアにわたって全体的に状況を把握したいとしたらどうでしょうか。例えば、スコアが0~10のリードは全体の何パーセントで、11~100は何パーセント、101以上は何パーセントか?などと。

こうしたデータを理解すれば、次のようなインサイトと組み合わせることができます。

・よりスコアの高いリードを生み出すためには?
・どのようなスコアのリードがもっとも商談化しやすいか?
・営業担当者はどのくらいのスピードでリードをフォローアップしているのか?
・リードがあるしきい値を満たさない場合は、営業に渡すのをやめるべきか?

まず、レポートのスコアリングのしきい値をどうすべきか、以下に簡単に紹介します。この例では、リードを対象に、0~10、11~100、101~の3つのしきい値でスコアリングします。

まず、Salesforceで新規レポートをつくります。リードでも取引先責任者でも構いませんが、ここではリードを対象とします。検索条件を設定します。以下、いくつかのポイントを紹介します。

・スコアのないリードがデータベースの大部分を占めていることが多いので、これらは除外しておきます。しかし、これらも一緒に比較したい場合は、このままにしておきます。
・特定の期間に作成されたリードのみをレポートしたい場合は、作成日検索条件(「作作成日: 当四半期」のような)を追加できます。詳しくはこちらです
・もちろん、特定のキャンペーンや人口統計学的要因や地域的要因など、さらに条件を絞り込むことも可能です。

「アウトライン」セクションにおいてレポートに表示させたいフィールドを追加し、「Add Summary Formula」をクリックします。以下のように設定し、この数式を使用します:コピー&ペーストしやすいように数式を記載しておきます:

IF(or(isblank(Lead.pi__score__c),ISNULL(Lead.pi__score__c),Lead.pi__score__c<1),”D.No Score”,if(Lead.pi__score__c<11,”A.Score 0-10″,if(Lead.pi__score__c<101,”B.Score 11-100″,if(Lead.pi__score__c>100,”C.Score >100″,”D.No Score”))))

いくつかの注意点:

・これはリードの場合です。取引先責任者レポートの場合は、「リード」のインスタンスをすべて「取引先責任者」に置き換えるだけ
・私は、0~10、10~100、100~という範囲を使っていますが、この数式を修正して、基準やラベルを好きなように設定することもできます。これは基本的に、単なるIF文です。

次に、先ほど作成したサマリーレベルの数式を「グループ」エリアへドラッグします。「グラフを追加」画像をクリックして、グラフを設定します。私はいつも、値とその割合を表示させた円グラフを好む傾向があります。保存すると、このようになります。私たち専門チームにご相談されたい方は、こちらのフォームから、お気軽にお問合せください。

文:マゴスキ ・アロン

SuperdriveはSalesforceのオフィシャルパートナーであり、Salesforce認定Marketing Cloudスペシャリスト・コンサルタントが在籍しています。

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