Salesforce Marketing Cloud Account Engagement (Pardot) Engagement Studioでは、自動化された電子メールジャーニーやドリップキャンペーン、シーケンスなど、いずれもすぐに呼び出すことが可能です。
このツールは、使い込んでコツさえつかめれば、かなり簡単であることがわかってきますが、初期評価としてあまり良い評価を見かけることはありません。
今回のブログでは、Salesforce Marketing Cloud Account Engagement (Pardot) Engagement StudioキャンペーンをSalesforceでレポートしたり、ダッシュボードに表示したりできるように設定する方法をご紹介します。
初期設定
続けて説明する前に、いくつか初期設定を
もし、わたしがお客様の担当者ならば、わたしがすべて設定します。しかし、もしご自身で設定する場合は、Salesforceのヘルプリンクを参考に、以下の初期設定のまとめを読みながら進めてみてください。
1. 接続されているキャンペーン の設定
まず、接続されているキャンペーンの設定が必要です。ガイドはこちらになります。接続されているキャンペーンは、その名が示す通り、PardotキャンペーンとSalesforceキャンペーンが別物ではなく、いずれのシステムでも1つのSalesforceキャンペーンオブジェクトとして使用できるようにするものです。これにより、PardotのデータがSalesforceに同期され、レポートを作成できるようになります。
2. Pardot lightningアプリを取得する
3. エンゲージメント履歴を有効にする
次に、エンゲージメント履歴を有効にし、カスタムレポートタイプを作成します。ガイドはこちら。エンゲージメント履歴によって、メールのパフォーマンスや、ランディングページまたはフォームの送信データ、カスタムリダイレクトデータなど、PardotデータをSalesforceでレポートできるようになります。
Salesforceキャンペーンをセットアップ
すべて完了!いよいよSalesforceキャンペーンにステップアップ
初期設定が完了したら、メールやEngagement Studioプログラムを作成する前に、まずはキャンペーンをいくつか作成し、すべての内容をそこに含めることに集中しましょう。
メールを送信するたびに、Salesforceキャンペーンをそれらに関連付けたいもの。さらに、子キャンペーンを1つの親キャンペーンにまとめると整理しやすくなります。親キャンペーンは本の表紙、子キャンペーンは個々のページと考えるとわかりやすくなります。
例えば、ナーチャリングメールキャンペーンの場合は、次のようにレイアウトします。
親キャンペーン
EMサンプル ナーチャリングメール123
親キャンペーンの下にある子キャンペーン
EMサンプル ナーチャリングメール123 メール1
EMサンプル ナーチャリングメール123 メール2
EMサンプル ナーチャリングメール123 メール3
EMサンプル ナーチャリングメール123 メール4
ここでは、その設定方法を説明します。
親キャンペーンの作成
- 「キャンペーン」に移動し、「新規」をクリックしてキャンペーンを作成します。
- キャンペーン名称を記入し、「有効」のチェックボックスをオフにし、タイプを「メール」に設定します。
- これで親キャンペーンの設定は完了です。簡単でしょう?
次に、親キャンペーンの下に4つの子キャンペーンを追加します。「EMサンプル ナーチャリング メール123」のキャンペーン画面で、右上のドロップダウンを開き、「Child Campaign」を選択します。再度、キャンペーン名を追加し、「有効」にチェックが入っていることを確認します。これでできあがり!
全部で4つのメールがあるので、同じ作業をあと3回行い、メール1、2、3、4の合計4つの子キャンペーンを作成します。
キャンペーンメンバーの状況の追加
親キャンペーンとそこに属する子キャンペーンを作成できたので、次に4つの子キャンペーンそれぞれにキャンペーンメンバーの状況を追加します。キャンペーンには見込み客情報が含まれるので、キャンペーンメンバーの状況は、彼らがキャンペーンとどのように相互作用したのか、より詳細な情報を入力します。例えば、今回作成するような典型的なメールキャンペーンでは、次のようなキャンペーンメンバーの状況を持たせることをお勧めします。
- 送信:これはデフォルトのキャンペーンメンバーの状況で、見込み客にメールを送信したことを示すために使用します。
- 開封:これは、見込み客がメールを開いたことを示すために設定するカスタムキャンペーンメンバーの状況です。
- クリック:見込み客がメールをクリックしたときに設定する、もう一つのカスタムキャンペーンメンバーの状況です。
- ダウンロード:メールにホワイトペーパーやYouTube動画へのリンクなど、重要なコールトゥアクションがある場合、単に「クリック」の記録だけではなく、アセットのダウンロードや閲覧に分類したいもの。そのために、このキャンペーンメンバーの状況があります。
キャンペーンメンバーの状況を作成するには、作成した「EMサンプル ナーチャリング メール123 メール1」キャンペーンに戻り、「キャンペーンメンバーの状況」までスクロールして、「新規」をクリックします。そして、開封、クリック、ダウンロードなどのキャンペーンメンバーの状況を1つずつ作成します。「開封」にはチェックを入れず、「クリック」と「ダウンロード」にチェックを入れて対応するのが良いと思います。このように。
すべて完了!
メールを作成する
キャンペーンの設定が完了したら、いよいよPardotの世界に飛び込み、ジャーニーの作成を始めましょう。まずはメール作成から。
Pardotでメールテンプレートを作成し、キャンペーン中で先ほど作成した子キャンペーンのどれかを選択してください。例えば最初のメールでは、「EMサンプル ナーチャリング メール123 メール1」を選択します。
Engagement Studioプログラムを作成
次に、ドリップシーケンス展開に向けた最後のステップである、Engagement Studioプログラムの設定にかかります。ここでは、最善の結果を得られるような設定方法について説明します。
ステップ1:アクション―メールを送信ステップ2:アクション―Salesforce キャンペーンに追加・状況―送信
キャンペーンメンバーの状況を「送信」にしてSalesforceのキャンペーン「EMサンプル ナーチャリング メール123 メール1」に追加
ステップ3:トリガー特定のメールリンクのクリック(特定のメールリンクのクリック)2日間評価このステップでは、見込み客がメール内にあるホワイトペーパーへのリンクをクリック(または、そのほかの重要なコールトゥアクション)したかどうかを2日の間チェックします)。見込み客がこのリンクをクリックしたということは、基本的に貴社のアセットをダウンロードあるいは閲覧したことになるので、これを評価します。
もし、見込み客がホワイトペーパーをダウンロードしたり、重要なアセットを閲覧したりしたのであれば、ステップ3で見込み客を「ダウンロード」状況に設定して、Salesforceキャンペーン「EMサンプル ナーチャリング メール123 メール1」に追加します。見込み客がクリックして資料をダウンロードしていたので、キャンペーンメンバーの状況をそのようにマークしています。その後、次のステップに進み、3日後にメール2を送信します。もし、メール送信から2日以内にステップ3のホワイトペーパーや重要なアセットをダウンロードしていなかった場合は、次のトリガーステップに移行します。
ステップ4:トリガーいずれかのメールリンクのクリック 0日間評価コールトゥアクションについてはクリックされなかったが、他のリンクがクリックされたかどうかを評価します。これは、ソーシャルメディアへのリンクや、ロゴ、他のウェブページへのリンク、メール内での2次的な行動への呼びかけなどを示しています。もしクリックされたのであれば、キャンペーンメンバーの状況を「クリック」と認識させたいので、この確認は重要です。タイミングとしては「0日(すぐに評価する)」に設定したいところです。というのも、前回のトリガーからすでに2日間を費やしている……つまり、メール送信から2日間も経過しているからです。これは、クリックされるには十分すぎる時間と考えられます。
もし、見込み客がメール内のリンクをクリックした場合は、「EMサンプル ナーチャリング メール123 メール1」というSalesforceキャンペーンに、「クリック」キャンペーンメンバーの状況を追加することになります。つまり「送信」から「クリック」へキャンペーンメンバーの状況を変更するわけです。その後、次のステップに進み、3日後にメール2を送信します。ステップ4でメール内のリンクをクリックしなかった場合は、次のトリガーステップに進みます。
ステップ5:トリガーメールの開封0日間評価このステップでは、メール送信から2日経過後も、見込み客が、ホワイトペーパーをダウンロードすることも、メール内の他のリンクをクリックすることもない場合を扱います。最終チェックとして、少なくともメールを開封したかどうかを確認します。メール送信から2日間と、開封するには十分な猶予があったため、待ち時間0日のトリガーとなります。
ステップ5でメールを開封した場合、「EMサンプル ナーチャリング メール123 メール1」というキャンペーンに見込み客を追加し、キャンペーンメンバーの状況を「開封」にします。ステップ5でメールを開封しなかった場合は、状況は「送信」のままです。開封したかどうかにかかわらず、見込み客は次のステップに進み、3日後にメール2を送信します。
これで完了です。こうしたプロセスで、メールを送信したのちに、アセットをダウンロードしたか、クリックしたか、開封したかなどを評価し、見込み客に適切なキャンペーンメンバーの状況を設定します。
これでメール1のアクションとトリガーはすべて完了です。次のEngagement Studioのパスでは、メール2、3、4について、まったく同じ方法でアクションを再現します。
「Salesforce レポートとダッシュボード」で結果を確認
さて、プログラムが出来上がったので、いくつかレポートを作ってみましょう。
このデータを使って、2種類のレポートを作成することができます。1つは、Pardotリストのメールオブジェクトをベースにしたもので、先ほど設定したエンゲージメント履歴の設定を使用します。これは、「メールの開封やクリック数などをレポートできる」という少々大げさな説明[野崎勝弘1] がなされていますが……。
もう1つは、キャンペーンメンバー標準Salesforceオブジェクトレポートを含むキャンペーンであり、初期に設定したキャンペーンとキャンペーンメンバーの状況を利用します。これには、「クリックや開封などをした見込み客をレポートできる」と書かれています。
Pardot メールレポート(エンゲージメント履歴)
このレポートでは、メールごとに開封率やクリック率などのレポートを簡単に作成できますが、どの見込み客が開封/クリックしたのかまでは確認できません。
Salesforceの「レポート」で「Email」または「Pardot」を検索すると、「Pardot Email report」あるいは「Pardot emails」という名前でオプションとして表示されるはずです。
以下はわたしが好んでする設定
フィルター:アウトライン:キャンペーンメンバーが関連するキャンペーンレポート
Pardotのメールレポートでもメールのパフォーマンスに関する有効なデータが得られますが、キャンペーンレポートではさらに、クリックやダウンロード、開封を行った特定の見込み客に関する知見を得ることができます。そこで、先ほど作成したキャンペーンとキャンペーンメンバーの状況を利用します。
Salesforceで「レポート」に移動し、「キャンペーンメンバーが関連するキャンペーンレポート」を選択します。
以下はわたしが好んでする設定
フィルター:アウトライン:これで、開封 vs クリック vs ダウンロードのレポートができました。
お好みでフォーマットを調整し、レポートをダッシュボードに追加してください。これで準備は完了です。
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SuperdriveはSalesforceのオフィシャルパートナーであり、Salesforce認定Marketing Cloudスペシャリスト・コンサルタントが在籍しています。