100%のデジタル手法で製品を軌道へ―Oikosの成功

カスタマーチャレンジ

ダノンは競争の激しい日本市場で、ギリシャのヨーグルト「Oikos」を展開しました。Oikosは、森永の「パルテノ」ブランドに続き日本で2番目にヒットしたギリシャヨーグルトです。わたしたちは、商品ローンチのマーケティングアクティベーションとサンプリングをサポートするために、デジタル主導のキャンペーンを開発する必要がありました。重要なのは、FMCG(Fast Moving Consumer Goods:消費者向けの低価格製品)の宣伝メディアとしてテレビをよく使うコンビニエンスストアのような取引先を満足させることが必要だったことです。もし、キャンペーンを適切かつ迅速に行えなければ、現実に商品がコンビニに並ばない可能性も出てきます。

日本でOikosはまったく認知されていませんでした。もし認知されていたとしても、多くの人は、ギリシャヨーグルトと従来のヨーグルトとの違いを知りません。日本人にとってヨーグルトとは、朝食用の流動食か、善玉菌を宿す健康食品としてしか認識されていませんでした。しかし、Oikosが意図する食品としてのポジションは、あまり健康的ではない、少なくとも実質的に食事と同等な間食の代替品でしたが、日本の消費者にとってそのコンセプトはなかなか受け入れられるものではありませんでした。簡単に言えば、わたしたちの障壁は、Oikosが認知されたブランドではなく、また、既知の日本人の食事のカテゴリーに属さず、ヨーグルトとしての“必要条件”を満たしていなかったということです。

わたしたちのターゲットは、人生に野望を持ち、長時間勤務に耐え得る食品を必要としている、賢く、勤勉かつ野心的で、溌溂とした、健康的で美を意識している「ハングリー・ウーマン」なのです。最高のパフォーマンスを得るために、エネルギーとスタミナを軽食に求めることを自然に感じるような。

既存のもので便利という理由で、彼女らは自分の周囲にある、あるいはすでに持っている習慣的なケミカルフードに手を伸ばしがちです。しかし、それらの多くは、高脂肪で炭水化物や砂糖、カフェインが含まれた人工的なスナックです。残念ながら、こうした食品は、神経的な快楽を瞬時にもたらす一方で、「ハングリー・ウーマンが」が本当に必要としているのとはほど遠い食品と言っていいでしょう。

ソリューション

日本におけるOikosのコンセプトは、「ハングリーモンスターの”おやつ衝動”を満たしてくれる、濃厚でクリーミーでカロリーゼロの健康的なヨーグルト」になりました。

わたしたちは、これをOikosの革新的な本質を表すことができる、クリエイティブな精神と新鮮な個性、ハングリー精神を持った15人の多様なインフルエンサー――日本のお腹をすかせた新世代代表として――による革新的なインスタグラムのコラボによって実現しました。おしゃれで楽しい、クールだけど可愛い、信頼できるけど予想外なインフルエンサーたち。この15人のインフルエンサーには、合わせて2,110,183人のフォロワーがいました。わたしたちは写真投稿のためだけに、これだけのフォロワーを擁する15人のブースターとなるインフルエンサーを直接採用したのです。

わたしたちは彼らにちょっとしたガイドラインを示すほかは、インスタグラム、フェースブック、ユーチューブ、ツイッターそれぞれに投稿する彼ら独自の一連の動画コンテンツを撮影し制作する、完全に自由なクリエイティブ(とプロのスタッフの利用)を許可しました。15人の若い女性が、それぞれ15秒間のバズフィルムを3つ(合わせて45本)作成し、実際に空腹を感じた瞬間を切り取ってフォロワーに配信することで、多くのエンゲージメントを生み出しました。また動画コンテンツ以外にも、彼女たちが撮った数百のオリジナル写真も並べて、それぞれのインフルエンサーが日常の中でOikosをどのように楽しんでいるかを表現しました。

有料のメディア戦略は、コンテンツアグリゲーターが専用のOikosキャンペーンページでコンテンツを常に配信することによって、アーンドとオウンドそれぞれのプラットフォームにわたるコンテンツを増幅させる効果があります。

結果

この最初の純粋にデジタル志向のローンチは、キャンペーンKPIとコマーシャルターゲットの両面で大成功を収めました。

キャンペーンKPI

これは、真の意味でのバイラルな成功でした。キャンペーンのレベルでは、一風変わったユーザーが作ったコンテンツが爆発し、意図しない「ヨーグルトアート」のムーブメントが起きました。フォロワーは、わたしたちの伝道者(インフルエンサー)に直接影響されて、その応援とタグ付きの謝意により励まされながら、Oikos独自のアーティスティックな表現を創造しました。

インフルエンサーのファンは指数関数的に増加しました。メガインフルエンサーやモデル、一流のタレントがこのムーブメントに参加し、12,000以上のインスパイアされたビデオや写真などのコンテンツが作成され、キュレーションされました。そして、これらはすべて無料でした(キャンペーン期間中の推定Impは8千万以上です)。

コマースKPI

  • 発売時に販売目標数の140%を達成
  • ローンチコストはDANONEにおける従来のメディア支出の1/10
  • 計画していたロールアウトを超過するコンビニと総合スーパーマーケットにおける販売を維持しつつさらに拡大

Also available in: English

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